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News2013.10.18
- 海外現地レポート
マレーシアで音楽交流
2013年3月29日(金)~4月3日(水) 6日間
高等学校のコーラス部員の公演旅行を、マレーシアで行いました。
マレーシアでコーラス部の音楽ツアー・・・なかなかイメージが湧かないと思います。そんなマレーシアでなぜ音楽旅行を行うことになったのか・・・。私自身も、マレーシアという国で音楽関係の研修旅行をすることになるとは、思ってもいませんでした。
公演旅行の企画をしている時、タイミングよく全日本中学校コーラス部全国大会の審査員の中に、マレーシア人の音楽関係者がいることを聞きました。何か新しい企画ができないかと思い、あらゆる手段を使ってその方とコンタクトを取り、日本とマレーシアのジョイントコンサートと音楽交流を企画できないか、自ら交渉をしました。幸運なことに相手もとても前向きに受け入れてくださり、この企画が実現しました。音楽のイメージが無いマレーシアでの音楽交流は前例がなかったので、双方とも新鮮で、新しい発見の連続でした。
今からそのプログラムの中身をご紹介させていただきます。
マラッカの教会で聖歌隊としてのコンサート
クアラルンプールより南に約150kmにある街マラッカの教会でのミサに参加し、その後聖歌隊としてコンサートを行いました。日曜礼拝があったその日、教会には400人近くの方が来られていて、聖歌隊の歌に耳を傾けてくださいました。午後はマラッカの市内で、オランダ広場やセントジョージズ砦、フランシスコザビエル像など、クアラルンプールでは見られないヨーロッパ風の建物を見学しました。ポルトガル領→オランダ領→イギリス領と、歴史上で常にヨーロッパの影響を強く受けてきた街であることを学びました。イスラム教の国マレーシアですが、マラッカの街にはヨーロッパの面影が多く残っており、この街にある教会で聖歌隊を勤めることができたことは、生徒達にとって良い経験となりました。
マレーシアの音楽グループとのジョイントコンサート
マレーシアの音楽学校にあるガールズコーラスグループ「The Malaysia Institute of Art's Ladies Chorus」との音楽交流とジョイントコンサートを行いました。初めての対面のときはお互いとても緊張しており、言葉の壁もありましたが、おりがみや紙風船、お土産交換などで一緒に遊びながら、少しずつ距離を縮めていきました。そしてお互いの歌を披露し合って、ジョイント曲のリハーサルをする頃には、「音楽」という絆で全員が一体となり、すばらしいコーラスが出来上がっていました。
19時から行われたコンサート本番は、クアラルンプールでも有名な音楽施設内にあるホールで行いました。開場前から入り口にはすでに列が・・・、この日に向けて、現地のコーラスグループがポスターを作成するなどしてプロモーションをしてくださったことで、約300人近くの観客が集まり、コンサートは大成功をおさめました。お互いの合唱隊が違う国の音楽に触れ、共に歌い、すばらしい音楽交流の機会となりました。
マレーシアの高校生との交流
今回の研修旅行では、音楽のことだけでなく、同年代の高校生との文化交流のプログラムも取り入れました。学校交流では、イスラム教の高等学校と、インターナショナルスクールの2つを訪問し、それぞれの学校の生徒との交流を行いました。宗教の大切さを重んじるマレーシア、そして、様々な国の人種や文化が融合しているマレーシア、その両面を、同じ年代の生徒達との交流を通じて学ぶことができました。
インターナショナルスクールでの交流
ここにはアジア人から欧米人、日本人など、様々な人種の生徒が通っていて、この日は音楽を専攻している生徒さんが交流プログラムに参加してくれました。日本特有のおもちゃ、おりがみや紙風船で交流を行い、双方のミニコンサートも開催し、多くの生徒が観賞しに来てくれたことも、すてきな思い出となりました。
イスラム教の学校との交流
マレーシアの中で、トップクラスのレベルを誇る全寮制の高等学校での交流を行いました。女子はみんなローブを着ていて、顔と手首以外は相手に見せないように、布で覆っています。夜は遅くまで勉強をし、朝は5時頃に起きてコーランを唱えます。環境も信仰も違う同年代の高校生達ですが、その違いにお互いが興味を抱き、お互いの文化紹介や歌の披露をしながら、どんどん距離が縮まっていきました。そして日本の高校生達は、一つの宗教を信仰することの美しさを目の当たりにしました。
様々なプログラムを取り入れた公演旅行でしたが、参加生徒からは「どれが一番楽しかったか決められないくらい、楽しかった!」という声を聞くことができ、誰もが笑顔で研修を終えることができたことを大変嬉しく思っています。音楽のイメージがなかったマレーシアで、新しい音楽の世界を見ることができ、生徒達にとっても大変よい経験となったことでしょう。
大阪営業所 秋吉美佳