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2012.01.17

  • 海外現地レポート

ドバイの砂漠を駆け抜ける

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新年早々アブダビ・ドバイへ行って参りました。近年注目されている旅行先ではありますがまだまだ日本からのお客様は多くありません。そこで今回はドバイのご紹介をしたいと思います。ご存知の通りドバイはアラブ首長国連邦(United Arab Emirates)を形成する7つの首長国の一つでアブダビに次ぐ面積を持ち、現首長(国王)は連邦の副大統領と首相を兼務しています。街の中心部には超高層ビルがいくつも立ち並び、ひときわ目立つのが最近の映画でも有名になった世界一高いビル、バージュ・カリファ(Burj Khalifa 地上828m 160階建て) *1です。人口の8割を外国人(200カ国から集まっています)が占めており、街中には巨大なショッピングモールがいくつも作られ、どこでも英語が通じ、歩いていてもニューヨークやロンドン、パリなどあまり変わらない雰囲気です。それでも街中で見かけるドバイ人の男性は頭に"グトラ(guthra)"と呼ばれるスカーフをかぶり純白のワンピース状の"カンドゥーラ(kandura)"を、女性は黒色のスカーフ"シェーラ(Sheyla)"で髪を隠し、黒色の裾の長いワンピース"アバヤ(Abaya)"を着ていますので、ここがアラブの町であることをあらためて思い起こさせます。UAE人は敬虔なイスラム教徒が多く戒律をよく守っている人たちなので街中はとても清潔で治安もよく保たれています。

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それでは、そんな近代都市の中心部を離れ、アラブらしい砂漠をご案内したいと思います。高層ビルが立ち並ぶ中心部から1時間ほど走るともうそこは砂漠の世界です。ドバイでは各社がデザート・サファリと呼ばれる砂漠のツアーを実施しており、手軽に砂漠とアラブの文化を体験できます。通常砂漠のツアーは暑さを避け夕方から夜にかけ行われますので、15:00頃よりそれぞれ滞在のホテルまで4WD車が迎えに来ます。ドバイで4WDといえばトヨタのランドクルーザーが一番人気です。我々もトヨタのランドクルーザーに乗り込み砂漠へ向け出発。1時間ほどハイウェイを走ると砂漠の入り口へと到着します。ここで砂漠の走行に向けタイヤの空気を抜く作業を行います。これは柔らかい砂地にタイヤがめり込まないためと、砂丘を上り下りする際に車が跳ね過ぎないようにするために行うものです。空気圧の調整が終わったらいよいよ砂漠走行へ。大小の砂丘をジェットコースターさながらに豪快に駆け抜けながらキャメル・ファームへと向かいます。ドバイでは世界最高賞金のレースのサラブレッドの競馬が有名ですが、別にラクダのレースも行われています。ここはその名の通りレース用のラクダの放牧場です。レースとは打って変わってのんびりと餌を食べているラクダたちを眺めた後は再び4WDで砂漠を走り抜けます。時間があえば途中砂漠に沈む夕日を見ることができます。見渡す限りの砂漠の先に沈んでゆく赤い夕陽をただひたすら眺めているだけでとてもゆったりした気分になれます。そうこうするうちに砂漠の中のキャンプサイトに到着。

キャンプサイトとはデザート・サファリを実施している現地の旅行社がそれぞれ所有している砂漠の中のオアシスです。夕食のバーベキューや、キャンプサイトでのアクティビティを行う基地のような役割を果たしています。キャンプサイトに到着するとまずはサンドボーディング(砂の上で行うスノーボード)やキャメルライディング(ラクダの背に乗って周囲を一周。ちゃんと引き綱で引いてもらいながらなので安心)があり、その他にサンドアート(色のついた砂を交互に瓶に入れながら絵を描いていくもちろん作品の販売もあります。)

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鷹匠による鷹のデモンストレーション(砂漠の民は鷹を飼っていることが多い)などがありますが人気はヘナ・ペインティングといわれる刺青とシーシャとよばれる水タバコの体験です。へナ・ペインティングとはヘンナというミソハギ科のハーブの葉を乾燥させて粉末状にしたものを染料として手の甲などに模様を描くものです。最初は染料が少し盛られた形で模様が描かれますが、しばらくすると乾いて自然に剥がれ落ちてきます。そのあとには皮膚の上に茶色い色で描かれた模様が残ります。お風呂等で強くこすっても落ちませんが、1週間~10日ほどで自然に消えていきます。昔は結婚式の時の装飾等で使われていたそうです。次にシーシャ(水タバコ)ですがタバコの葉を糖蜜で固めフレーバー(ミントやアップルなど)をつけたものでこれに火をつけゆっくり燃やしながらその煙を独特の機器(これがシーシャと呼ばれます)を通して水をくぐらせて吸うものです。水を通しますので紙巻きとは違いタバコ特有の味や香りはしませんが、大きく吸い込まないといけない分普段タバコを吸われない方には注意が必要になります。吸い口はその都度交換したり、吸い口に巻いてある銀紙を取り替えながら吸いますので安心ですしばらくすると夕食がはじまります。チキンやマトン、ビーフ(イスラム教国なので豚肉は食べない)が焼かれ、サラダやアラブ独特のタブーレ(トマトやパセリ、玉ねぎ、ミントなどをみじん切りにしてレモン汁などで味付けしたサラダ)、ホブス(インドのナンのようなパン)などが並んでいます。食事が終わると真ん中の舞台でベリーダンスが始まります。ベリーダンスは本来トルコが発祥といわれドバイにはないのですが日も暮れて薄明かりのなかで妖艶に踊られるベリーダンスを見ているとまさに私たちがイメージするアラビアンナイトの世界を目の当たりにしているようです。ひとしきりベリーダンスを堪能するとキャンプサイトの明かりも消え始めデザート・サファリはお開きとなります。帰りはさすがに砂漠のアクロバット走行はなく、最短距離で突っ切って、それぞれのホテルに送り届けてくれます。(大体9時半から10時頃になります)

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建国後わずか40年ほどで現在の繁栄を築きあげたドバイですが、先王シェイク・ラシッドは限りのある石油資源に頼ることなく外国からの資本を積極的に導入して今日のドバイを作り上げました。ただ、昨年からのヨーロッパの金融危機は各国から多くの資本を導入しているドバイにも暗い影を落としているのは事実です。ただ、われわれのイメージする黄金に輝くアラビアンナイトの世界を実現してきたのもドバイなのです。UAEには成田・関空・中部からエミレーツ航空(ドバイへ)・エティハド航空(アブダビへ)が就航しています。真夏(今は冬ですが)の夜の夢を体験しに一度訪れてみてください。かつてのアラブと今のアラブを一度に見ることができます。


*1 バージュ・カリファの展望台アット・ザ・トップは124階地上442mのところにあり現在のところ世界一の高さにある展望台ですが、今年5月22日に東京スカイツリーがオープンすると第2展望台が地上450mの高さになり世界一となります。

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